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「偏差値は学校間格差を表すものではありません。」という文言を目にする機会が多くあると存じます。過去の私自身の見識のなさを露呈してしまうことになるのですが、子どもの頃は「偏差値=学校間格差」と思い込んでいました。しかし、これは学校選びにおいて、重点を置く項目によって相当に変わってしまうものです。その点について、大きく二つに分けて話を進めていきます。
まず、大学進学実績に重点を置く場合は、基本的に偏差値の高い学校ほど偏差値の高い大学への進学実績がありますので、学校の偏差値と価値は比例しやすいとお考え頂いてほぼ間違いありません。しかし、偏差値ランキングでは上位にランクされていない学校でも、特定の学部に強いということもあります。また、偏差値の割には理系に強いということもあります。つまり、特定の学部への進学という観点や文系・理系別の進学実績という観点からすると、必ずしも学校の偏差値と価値は比例するとは言い切れません。当教室の卒業生の例を挙げれば、小学六年生では医学部志望でなかったお子さんが医学部実績の多い学校に進み、医学の道を歩んでいるケースも少なからずあります。やはり人は、環境に左右されがちな存在であるという否めない事実があります。以上から、将来的に学部はどこでも良いから大学実績を追いたいという場合にはより偏差値の高い学校を目指すべきでしょうし、特定の学部を目指すのであればその学部への進学率が高い学校を選ぶべきであると言えます。手前味噌になりますが、中学受験塾I
FIELDが中堅校から上位校合格を真剣に目指すお子さんだけに門戸を開いているのも上記のような理由によります。
次に、人格形成に重点を置く場合は偏差値での学校選びには慎重にならなくてはなりません。中高の六年間は情緒の発達が著しい時期です。この時期をどのような環境で過ごすかということは人格形成に多大な影響を及ぼすということはよく言われることですが、これは全くもってその通りです。(私も卒業生に会う機会があると痛切に感じますが、A中学校に進学すれば快活で明朗な生徒になっていきますし、B中学校に進学すれば真面目で勤勉な生徒になっていく傾向が強いです。このように六年間の環境の力というのは相当に大きいものです。)
このような観点で学校の価値を考える場合には、偏差値に振り回されて受験を終えると、進学してから後悔することにもなりかねません。そこで、お子さんの将来の人間像を突き詰めてお考えになったたうえで、学校説明会や学校行事に参加するだけではなく、候補に上がった学校の先輩方の日頃の振る舞い等も総合的に勘案したうえで、ここぞと思える学校を探してください。